私はこれまで、自宅練習用にベース専用のコンボアンプの購入を検討してまいりました。(昭和初期小説風)
一日を終えた夜更けに、ゆっくりと酒を飲みながら、ひたむきに、ただひたすらにベースを弾きまくり、その甘美な音色に全身を委ね、全てを忘れられるような没入感のある練習環境を構築したい、そんなささやかな贅沢を夢見て、多大なる時間を浪費してきたのでございます。
Ampeg、Orange、Phil Jones Bass、Fenderの現行最新機種から、30年近く前のMarshallのヴィンテージアンプまで、ボツになった機種も含めますと、かなりの台数のアンプを検討してきたのでございますが、これといった決め手もなく、ただ逡巡し、決心できず、時がいたずらに過ぎていくばかりでございました…。
そんな私に一筋の光が差したのは、無駄で不毛なオンライン会議中(在宅勤務)に、仕事をしている振りをして、ネットサーフィンをしていた時でございました。
「ベース用プリアンプ」
そうか、その手がありましたね。何も無理してコンボアンプを購入しなくても、ヘッドホンさえ使うことができれば、省スペースかつイイ音で鳴らせそうでございます。そして見つけたのがこちらでございます。
Phil Jones Bass – Bass Buddy
なにやら「ベースそのものの素の音が出る」との評判でございまして、私が大好きなグライコのみならず、こちらも自然な掛かり方と評判のコンプレッサーも装備なさっておられます。
まさに没入感を得られそうなそのスペックに、仕事中であることは忘却の彼方に消え去り、こっそりスマホでYouTubeのレビュー動画の音を聴いてみましたら、その通りといった感じでございました。
同じく、Phil Jones Bassのパワーアンプ内蔵スピーカーPB-300と組み合わせれば、250Wの大型アンプに変身させる事ができるというその拡張性にも大いに感銘を受け、遂に購入を決意したのでございました。
(つづく)